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原田則夫さんの工場-教育

原田則夫さんの経営哲学の中核をなしているのが人材教育だと理解しています.

「品質」とは最終的には「人質」だと思っています.人の質のばらつきが品質のばらつきになる.
機械で物を作っていても,機械の操作・メインテナンスをするのはやはり「人」です.

多分普通の人なら見逃すと思うのですが,原田さんの工場の社員食堂はものすごくきれいです.
日本の会社ならば当たり前かもしれませんが,中国では食堂の床やテーブルの上に食べかすが散乱しているのは当たり前です.そのためちょっと高級なレストランでは常に床を掃除している人がいるくらいです.テーブルもお客さんが変わるたびにテーブルクロスを替えなければなりません.

しかしここの社員食堂は2000人の作業員が食事をした後も床もテーブルも非常にきれいです.
地方から出てきた「農民集団」に徹底して精神論から鍛えなおしているそうです.新入社員に7日間かけて礼儀作法から教えるそうです.

従業員達の文化を変えることは難しいですが,習慣は変えることができます.

原田さんの教育には「愛情」が感じられます.原田さんがまず教えるのは,個人の成長のために学ぶのだということです.
それを従業員が理解しているから,皆生き生きと仕事をしている.

原田さんの工場では,地方から出てきた女工さんたちの中から,文員さんを登用しています.これができるのは,ちゃんとした教育システムと,公平な試験制度があるからです.

例えば受付のおねぇさんは作業員から登用された人です.
彼女は手が空いているときは喫茶部の運営も任されている.来客や会議中の飲み物提供が仕事です.この職場にはパワーポイントでできた喫茶部の経営状況のチャートが掲示してあり,月ごとに更新されています.そこには固定経費がいくらで,変動費がいくら,利益がいくらということがグラフで見えるようになっています.
原田さん曰く,これだけ教えておけば,彼女が退職して田舎に帰っても食堂の経営くらいはできるだろうということです.

また業者さん対応の受付のおねぇさんも同じように彼女の成果(何社新しい業者が来て,そこからいくつ新規採用になったか)をグラフにして張り出しています.彼女は自分の机のコンピュータで会社の経営数字(月別の売上高推移のグラフ)を見ていました.
彼女もまた作業員から昇格した月給600元のおねぇさんなのです.

従業員を信頼しているから,こういうことができるのですね.
私の知り合いは中国のある工場で工場長をしていますが,経営数字は見せてもらえないそうです.経理の管理職が握っていて,工場長すら知らされない.

あなたならどちらの会社で働きたいですか?
良い会社は従業員を育て,その成長で会社の利益貢献につなげるのです.

次回は「見える管理」についてお話します.
お楽しみに…

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