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【儲かる工場の作り方】第四話「省人化」

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人海戦術

兵法「人海戦術」

 安価な労働力が大量に確保できる.こんな魅力で中国が世界の工場といわれるまでに発展した.
 多くの日系企業も,生産コスト削減のために中国に進出したと思う.農村出身の女工さんを大量に並べ,モノ造りをしてきた.


 しかし状況は大きく変化した.最低賃金は毎年十数%上昇.中国政府は労働集約型工場に対する優遇政策を徐々に縮小してきている.


 また無尽蔵と思われた内陸部からの人材供給も陰りが見えている.必要な人数だけ工員を集められる工場はまれだ.
 既に中国の生産現場では人海戦術は通用しなくなっている.

変種変量・多品種少量生産へ

 同時に市場の要求も変化している.今までのように規格商品を大量に生産しても売れない.モノ造りも少品種大量生産から,変種変量・多品種少量生産に変化しなければならない.究極の姿は鮨屋のカウンターだ.お客様が食べたいモノを食べたいだけ食べたい時に提供する.


 このような生産を人海戦術で対応しようとすれば,無駄が多すぎる.では完全自動で作業員を極限まで削減すればよいかというと,これも違う.少品種大量生産では力を発揮するが,変種変量・多品種少量生産には向かない.


 大きな投資をすれば,設備の稼動率が気になる.稼動率を気にすれば売れないモノを大量に生産することになる.稼動率を決めるのは工場ではない.顧客の需用だ.

省人化改善

 量の拡大を目指す改善ではなく,少ない人数で作る改善をする.量の改善がなくても生産性が改善されれば良いはずだ.同時に生産スペースを縮小すれば,工場の潜在生産能力は向上する.これで変種変量・多品種少量生産への柔軟性が手に入る.


 例えば800台/時間の加工ができる機械をフル可動させるために前準備に2人投入する.3人の作業員で機械はフル可動できる.しかし1人で出来る量だけ可動させれば,500台/時間生産できる.量が減っているが,2人で生産すれば1000台/時間が可能だ.省人化改善を目指して量の改善も手に入れられた.一番大きいのは受注に合わせて生産能力を無駄なく可変できる柔軟性だ.


 省人化とは一人ひとりの生産付加価値を上げさらに高い生産効率を得ることだ.言ってみれば省人化は活人化だ.


 省人化の鍵は「抜苦与楽」.作業のムダ・ムラ・ムリを省く.作業が楽になれば結果的に効率は上がるはずだ.





本コラムは香港,中国華南地区で発行されている月刊ビジネス雑誌「華南マンスリー」2009年9月号に寄稿したコラムです.


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