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第七章:人材育成を支える仕組みと仕掛け

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伝説の経営者・原田則夫の“声”を聴け!
工場再生指導バイブル

前回のコラムでは,原田式人材育成について書かせていただいた.人に知識を与え,それを能力に変換してやる.難しいことではない.しかし継続的に人材育成が回り,2番手3番手のリーダが育つようにするためには工夫が必要だ.

自己成長を促す仕組み
人には皆,自己成長意欲がある.しかし若者の中には,その意欲を発揮する機会がなかったり,自己の意欲に気がついていない人が,少なからずいる.
弟や妹の学費を稼ぐために,農村から出稼ぎに来ている打工妹たちにとって,仕事は家族を支えるための「苦役」であり,成長の機会であるとは捉え難いいだろう.
原田氏が経営していたSOLID社には,作業員を事務職員に登用する制度がある.出稼ぎ労働者にも,昇進の機会を与えることにより成長意欲を引き出すことができる.
しかしこの仕組みは,上位に開き空間が無ければ,とたんに閉塞感を伴い機能しなくなる.そこで成長した者から外に出てゆく仕掛けが用意してあるのだ.
SOLID社の職場には,従業員一人ひとりが3年後5年後の夢を公開する掲示板がある.小金を貯めて,故郷に帰り商売をしたい.更に成長し管理職を目指したい.それぞれの夢を毎日掲示板で確認し,努力をするようになっている.
また管理職になると,職位により2,3年ごとに別の職場に異動する制度がある.この制度により,管理職は,経営幹部として成長してゆく.
この様な制度により成長した職員は,自己の夢を実現するために,更なる機会を求め社外と出てゆく.

モチベーション管理
自己成長モチベーションを維持・向上させ,従業員の能力を150%引き出す.その結果を経営業績に結びつける.モチベーションを管理することは,重要な経営課題である.
モチベーションを上げるために,時折従業員に向かって講和をする,食事会を催す.場当たり的な施策は管理とは言えない.継続的にモチベーションを与える仕組みと仕掛けを用意しなければならない.
指示・命令に従ってやる仕事と,自らの意思でやる仕事では,明らかに後者の方がモチベーションが高く,成果も高くなるはずだ.SOLID社のプロジェクト活動は,社員の自由な意思で,プロジェクトを開始・参加することができる.
設備営繕技師は,手の空いた時に,工場内の生活区に置かれるベンチを手造りしている.材料は梱包廃材だ.職場の壁にペンキ絵を描く.このような創意工夫により個性を発揮するチャンスを与える.
楽器を準備しておき,誕生会などで演奏させる.仕事には直接関係無いが,自分の個性を発揮する場と,仲間からの賞賛・承認を得る機会が与えられる.
このような仕組みや仕掛けで,モチベーションが管理される.

助け合う精神
一人ひとりの成長意欲を高め,モチベーションを高める.更にお互いに助け合い成長する協調性を持たせる.これにより,一人の成長意欲,モチベーションが組織の中に容易に感染するようになる.
他人に迷惑をかけない,他人に関心を持つ.この様な組織風土により助け合う精神が開発される.
組織風土は上から押し付けられるのではなく,新人の時から自ら感じ取る様に工夫されている.
新人研修では,一輪車の練習により,左右から支えてくれる仲間と共に,達成感を学ぶ.
先輩との交換日記では,自分に対し関心を払ってくれる先輩に感謝し,自分もそういう先輩になろうとする.
子供は親の行動を見て,それをまねして育つ.そのような環境を実現する仕組みと仕掛けを用意することにより,組織風土は受け継がれてゆくのだ.


本コラムは香港,中国華南地区で発行されている月刊ビジネス雑誌「華南マンスリー」2011年2月号に寄稿したコラムです.

原田式経営哲学勉強会を開催しています.
詳細は,ブログ:原田式経営哲学をご参照ください.




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