« 第六章:人材育成 | Main | 第八章:信用と信頼 »

第七章:人材育成を支える仕組みと仕掛け

あとで読む

伝説の経営者・原田則夫の“声”を聴け!
工場再生指導バイブル

前回のコラムでは,原田式人材育成について書かせていただいた.人に知識を与え,それを能力に変換してやる.難しいことではない.しかし継続的に人材育成が回り,2番手3番手のリーダが育つようにするためには工夫が必要だ.

自己成長を促す仕組み
人には皆,自己成長意欲がある.しかし若者の中には,その意欲を発揮する機会がなかったり,自己の意欲に気がついていない人が,少なからずいる.
弟や妹の学費を稼ぐために,農村から出稼ぎに来ている打工妹たちにとって,仕事は家族を支えるための「苦役」であり,成長の機会であるとは捉え難いいだろう.
原田氏が経営していたSOLID社には,作業員を事務職員に登用する制度がある.出稼ぎ労働者にも,昇進の機会を与えることにより成長意欲を引き出すことができる.
しかしこの仕組みは,上位に開き空間が無ければ,とたんに閉塞感を伴い機能しなくなる.そこで成長した者から外に出てゆく仕掛けが用意してあるのだ.
SOLID社の職場には,従業員一人ひとりが3年後5年後の夢を公開する掲示板がある.小金を貯めて,故郷に帰り商売をしたい.更に成長し管理職を目指したい.それぞれの夢を毎日掲示板で確認し,努力をするようになっている.
また管理職になると,職位により2,3年ごとに別の職場に異動する制度がある.この制度により,管理職は,経営幹部として成長してゆく.
この様な制度により成長した職員は,自己の夢を実現するために,更なる機会を求め社外と出てゆく.

モチベーション管理
自己成長モチベーションを維持・向上させ,従業員の能力を150%引き出す.その結果を経営業績に結びつける.モチベーションを管理することは,重要な経営課題である.
モチベーションを上げるために,時折従業員に向かって講和をする,食事会を催す.場当たり的な施策は管理とは言えない.継続的にモチベーションを与える仕組みと仕掛けを用意しなければならない.
指示・命令に従ってやる仕事と,自らの意思でやる仕事では,明らかに後者の方がモチベーションが高く,成果も高くなるはずだ.SOLID社のプロジェクト活動は,社員の自由な意思で,プロジェクトを開始・参加することができる.
設備営繕技師は,手の空いた時に,工場内の生活区に置かれるベンチを手造りしている.材料は梱包廃材だ.職場の壁にペンキ絵を描く.このような創意工夫により個性を発揮するチャンスを与える.
楽器を準備しておき,誕生会などで演奏させる.仕事には直接関係無いが,自分の個性を発揮する場と,仲間からの賞賛・承認を得る機会が与えられる.
このような仕組みや仕掛けで,モチベーションが管理される.

助け合う精神
一人ひとりの成長意欲を高め,モチベーションを高める.更にお互いに助け合い成長する協調性を持たせる.これにより,一人の成長意欲,モチベーションが組織の中に容易に感染するようになる.
他人に迷惑をかけない,他人に関心を持つ.この様な組織風土により助け合う精神が開発される.
組織風土は上から押し付けられるのではなく,新人の時から自ら感じ取る様に工夫されている.
新人研修では,一輪車の練習により,左右から支えてくれる仲間と共に,達成感を学ぶ.
先輩との交換日記では,自分に対し関心を払ってくれる先輩に感謝し,自分もそういう先輩になろうとする.
子供は親の行動を見て,それをまねして育つ.そのような環境を実現する仕組みと仕掛けを用意することにより,組織風土は受け継がれてゆくのだ.


本コラムは香港,中国華南地区で発行されている月刊ビジネス雑誌「華南マンスリー」2011年2月号に寄稿したコラムです.

原田式経営哲学勉強会を開催しています.
詳細は,ブログ:原田式経営哲学をご参照ください.




人気ブログランキングへ

|

« 第六章:人材育成 | Main | 第八章:信用と信頼 »

華南マンスリーコラム」カテゴリの記事

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference 第七章:人材育成を支える仕組みと仕掛け:

« 第六章:人材育成 | Main | 第八章:信用と信頼 »